「老後資金は2,000万円が必要」「貯金は安全」。これまで飛び交ってきたお金の常識は、日々変化しており、その常識は今、静かに、しかし確実に崩れ去ろうとしています。
長期間に及ぶデフレによって、貯金は安全という神話がありましたが、近年のインフレによって過去のものとなり、高配当投資は利回り4〜5%が限界という思い込みが、新商品の登場で覆されようとしています。私たちは今、資産形成のルールが根本から変わる転換点に立っているのです。
この記事では、最近の重要な金融ニュースの中から、特にインパクトが大きく、あなたの資産戦略を根底から見直すきっかけとなりうる「4つの新常識」を厳選して解説します。氾濫する情報を整理し、自身の投資戦略に活かせる具体的な洞察を得ることが、本記事の目的です。さあ、未来をデザインするための新しい羅針盤を手にしましょう。
衝撃の「平均利回り42%」、分配金型FANG+という新たな選択肢
概要
2026年1月21日から設定が開始された新しい投資信託「iFreeNEXT FANG+インデックス(毎月決算・予想分配提示型)」が、投資界に衝撃を与えています。
これは、驚異的な成長を遂げてきたFANG+指数のリターンを、ファンドを売却することなく「分配金」として毎月受け取れる画期的なコンセプトの商品です。信託報酬は従来のFANG+と同じ0.7755%に設定されています。
驚異的な分配利回り
- 驚異的な分配金利回り
最大の注目点は、その驚異的な分配金利回りです。過去のデータに基づくバックテストでは、平均分配金利回りが42%という衝撃的な数値に達しています。
具体的には、最もパフォーマンスが良かった2021年は58%、相場全体が大きく落ち込んだ2022年でさえ11%の分配金を拠出するというシミュレーション結果が示されているのです。

分配金は毎回支払われるわけではない
この高い利回りの源泉は、投資先企業の配当ではなく、ファンドのパフォーマンスそのものです。相場が良い時は積極的に分配金を出し、相場が悪化して基準価額が下がると分配を停止することで元本の毀損を防ぎます。これにより、基準価額が比較的一定に保たれやすいという大きな利点も生まれます。
これは、従来の配当貴族株のような「企業の利益還元」を原資とする守りのキャッシュフロー戦略とは全く思想が異なる、「市場の成長」を直接キャッシュに変える、極めて攻撃的な手法と言えます。
具体的には、下表のとおり、基準価額によって分配金額が決定されます。場合によっては、分配金が支払われないこともあります。
| 毎計算期末の前営業日の基準価額 | 分配金額(1万口あたり、税引前) |
|---|---|
| 10,500円未満 | 基準価額の水準等を勘案した分配金額 |
| 10,500円以上 11,000円未満 | 100円 |
| 11,000円以上 12,000円未満 | 200円 |
| 12,000円以上 13,000円未満 | 300円 |
| 13,000円以上 14,000円未満 | 400円 |
| 14,000円以上 | 500円 |
注意点
もちろん、注意点も明確にしておく必要があります。
- あくまで過去データに基づくシミュレーションであり、将来の利回りを保証するものではありません。
- FANG+自体がハイリスク・ハイリターンな指数であるため、分配金も不安定になる可能性があります。
- 新NISAの対象外であり、受け取る分配金には約20.315%の税金がかかります。
それでも、この商品はこれまでの高配当投資の常識を覆すポテンシャルを秘めた、新たな選択肢であることは間違いありません。
「老後2000万円問題」は過去の話。インフレがもたらす新たな目標額
多くの人が一度は耳にしたことがある「老後2000万円問題」。しかし、2019年に話題となったこの数字は、もはや現状に即しているとは言えません。最近では「老後資金は1億円必要」といった声も聞かれるようになりました。
その最大の理由は「インフレ」です。驚くべきことに、現在の日本は先進7カ国(G7)の中で最も物価上昇率が高い状況にあります。物価が上がり続けるということは、現金の価値が下がり続けることを意味します。かつて100円だったチョコレートが、グラム数を減らした上で200円になっている——そんな身近な例が、インフレの脅威を物語っています。

仮にインフレ率が年3.5%で推移した場合、現在の2000万円の価値は将来どれだけの金額に相当するでしょうか。
ある試算によれば、現在32歳の人が30年後に、現在の2,000万円と同じ価値のお金を用意するには、現在価値にして5707万円が必要になるとされています。目標額が3倍近くに跳ね上がるという厳しい現実です。
この問題をさらに深刻化させているのが「実質賃金の減少」です。物価は上がっているのに、税金や社会保険料を差し引いた手取り給与(実質賃金)は10ヶ月連続でマイナスという状況が続いています。

収入は増えず、支出だけが増えていくという二重苦に、多くの人が直面しているのです。この現実を直視すれば、「貯蓄だけで資産を守るのは、もはや不可能に近い」という結論に至らざるを得ません。
過去はどれくらい配当を貰えたのか?
| 分配金 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2018年 | 0 | 0 | 100 | 200 | 200 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 2019年 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 200 |
| 2020年 | 300 | 400 | 0 | 200 | 300 | 400 | 500 | 500 | 500 | 500 | 500 | 500 |
| 2021年 | 500 | 500 | 500 | 500 | 500 | 500 | 500 | 400 | 500 | 500 | 500 | 400 |
| 2022年 | 300 | 200 | 200 | 200 | 0 | 0 | 0 | 200 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 2023年 | 0 | 100 | 100 | 200 | 300 | 500 | 500 | 400 | 400 | 300 | 400 | 400 |
| 2024年 | 400 | 500 | 500 | 500 | 500 | 500 | 500 | 500 | 400 | 400 | 500 | 500 |
| 2025年 | 500 | 500 | 200 | 0 | 400 | 400 | 400 | 400 | 500 |
配当の安定性はないものの、株価の調子が良い年は毎月のように400〜500円の配当を手にすることができており、高い配当利回りを実現できています。
まとめ
今回は、新しく設定された投資信託について解説しました。お勧めできる人は限られるかもしれませんが、かなり尖っていて興味深い投資対象だと思います!
ぜひ検討してみてください!
